ふとんむし旅行記:さくら君とふとん先生


「ふとんsさぁーw」

「なんだよw」

「さっきの子,可愛いかったでしょー???w」

「うんうん.可愛いかったってw」

「でしょー?wwww」

「だからあの子はサクラ君のなんなんだよw 彼女なのか?w」

「www 秘密ぅーw」



ギルド犬小屋の最年少,「サクラ君」に可愛いお連れさんが出来た.

彼とのP取引をする事があって,その際にチラッと逢ったんだけれど,アバターのチョイスもなかなか可愛い感じで,挨拶や喋った感じも良さげな感じ.僕はちょっと先を急いでいたので「可愛い子連れてるじゃん^^」と一言だけ言ったんだけれど,これが後々お腹いっぱいになるほどのノロケを聞かされる原因になるとは思わなかった.


「ねぇーw ふとんsってばー」

「www なにw」

「ほんといい子なんだってーw」

「わかったからw 俺もそう思ったよw」

「どこらへんが可愛いと思うー????w」


まくらむし氏はお子様とのやりとりが苦手らしいので,こういう場合は沈黙を守ってらっしゃる事が多い.僕自身はギルドマスターという職責から,きちんと相手をしないといけないし,出来るだけこういう事はサポートしてあげないと・・・という思いもあって,にわか学校先生となったふとんでございましたが.


「待て待て,水を差す様で悪いんだが,その子はまだ君の彼女じゃないんだろう?」

「うん;」

「じゃぁあれだ,もう彼女の良さは僕もみんなもお腹いっぱいになるくらい聞いたから,そろそろ彼女をパートナーにするにはどうしたらいいかを考えようじゃないか」

「ふとんsはどうやって今の人と一緒になったん?」

「ふとんはあれだよ.彼女がインしてない時に婚約指輪を作って,その後エリニアの森でプロポーズだよ」


出来るだけ判りやすく説明したつもりだったんだけれど,


「へぇー そういえばエリニアによく居たもんなーww」



あんまり判ってないらしい.



「どしたらいいー???」

「そうだな.とりあえず1人で出来ることから手を付けてみようか.まだちょっと早いかも知れんけれど,婚約指輪を作るのも1人で出来るしな」

「それって大変?」

「いや,サクラ君も90Lvだし,もうそんなに苦労しない敵からドロップするものを集めるだけだから,大して難しくはないよ」

「そうなん? じゃぁふとんs手伝ってwww」

「アホかよw 他の誰かと一緒に作った指輪を貰って彼女が喜ぶと思うか?w こういうのは相手の事を考えながらじっくり作るもんなんだよw」


いや,別に1人でも2人でもいいんだろうけれど.こうでも言っておかないと全部手伝う事になりそうで・・.

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メイプルでの結婚システムは,見方によっては結構ヘビーで,リアルと同じくらいの手順を踏まないといけないあたり,なかなか手間がかかる.


まず婚約指輪.これは各町に点在するNPCに話しかけて,「愛の証票」を集める事から始まる.手っ取り早く終わらせるならビクトリア4都市のNPCで済むけれど,オシリア大陸や武陵高原でも集める事が出来る.


この愛の証票を集め終わったら,次は指輪の原材料を集めなければいけない.指輪には4種類のタイプがあり,月,星,金,銀.それぞれ付加ステータスに関わっており,僕の予想では移動・ジャンプ・HP・MPの順になると思う.また,それぞれの指輪には月の石,星の石,金,銀が必要になり,月の石や星の石は,全種類の宝石・鉱石を集めないとエリニアで精製できない希少品の為,手に入れるのに結構苦労する.


婚約指輪が出来上がったらいよいよプロポーズ.大抵はもうこの時点で結婚前提のパートナーになっているはずだけれど,万が一ここで断られると全ての努力がその場で蒸発する(意識もどこかへ蒸発する人もいるかもしれないけれど).婚約指輪を使用して相手の名前を入力して,相手の承諾を待つ.

相手には「OK」か「キャンセル」の2択.

ドラゴンナイトさんは「保留ってあったらいいのにねww」とかなり現実な事を言っていたけれど,そうなると多分システム上面倒な事になるのか,鬼の2択しか無い.


無事ここでOKを貰えたら,結婚式の段取りへと進む.3種類のウエディングチケットの中から1種類を購入する.

このチケットが招待人数や,装備する事になる結婚指輪のプラスステータスに影響し,上位である「プレミアムウエディングチケット」は,最大60人の招待者,オールステータス+3の効果+αのつく装備用のリング,その他式次第も若干変わるっぽい.チケットを購入した後は式場予約を入れ,あとは招待者へいついつ何時を伝えて招待状を送って当日を待つ.


僕が今知ってるのはとりあえずここまで.

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話を元に戻して.


きっと手伝ったら空気も読まずに「ふとんsと一緒につくったww」ってバカ正直に言うに違いない.サクラ君の様な中学生時代っていうのは,自分の気持ちが先行して余り相手の事を考えたりしなかったりっていうのも判るし,ここは軌道修正をかけながら・・


「とりあえず,今日彼女がもうログアウトしてるんだったら,作り始めてみなよ」

「うんww」

「じゃぁ頑張ってなww」

「やっぱ明日つくるw」

「そか^^」

「あんがと^^」

「うい」







「でさぁーw どうやって知り合ったか聞いてよwww」






(´・ω・`)



まくらむし氏からは「そーちゃん幼稚園の先生になれるよ!w」と言われ,うんこむし奥様からは「おつかれwww」とねぎらいのお言葉を頂戴した次第で.


リアル学校の先生なんか,この相手だけでも結構疲れるだろうに,更に親への対処とかが加わって大変だろうな・・・好きでないと出来ないよね.