一冊の選択

創立記念パーティーの打ち合わせで,会場となるホテルの副支配人と.

昔は一時期ホテルマンになりたいと思う時期がありまして.


多少の英語はなんとか出来ていたし,ああいう直接お客様と接するコトが出来る仕事をしたくて.

開いたのはフロムA.

まだ中央図書館と今はなき喫茶「楓」に通っていた頃.


目に入ったのは天王寺都ホテルと,とある派遣会社.上下に記事が並んでいた.

どちらも同じ天王寺だったし,まぁ自宅から近いしと.



後日,僕はその派遣会社の面接に向かっていた.まだあの界隈にABCマートが有った頃だ.



その後7年,その派遣会社を通じて物流業界の中で過ごし,大規模物流センター,冷凍倉庫,食品センター,空港での現場作業,そして派遣会社本体での勤務を経て今の職場へ.派遣会社から今の会社へ就職して,もう4年.


さっき,パーティのアトラクションのタイムテーブルをまとめていた.MCや音卓,案内係,受付,場内責任者といったスタッフの挙動からゲスト,従業員,コンパニオンまでの動きをすべて1枚にまとめた完全版.


「松ちゃん,やっぱり仕事間違えたな」

「かも知れませんねぇ..」


社長にも,課長にも何度か言われたけれど,もうあまり気にしない.


あの一冊のフロムAでの選択から11年.


後悔はしてない.