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花に嵐

”今夜、すべてのバーで”の作中、霊安室でエチルアルコールを飲んでいる福永が、主人公である小島(らもさん本人)に言います。

井伏鱒二が訳した「勧酒」。もとは五言絶句です。

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この杯を受けてくれ

どうぞなみなみ注がせておくれ

花に嵐のたとえもあるさ

さよならだけが人生だ 



どんなキレイな花でも突然予期せぬ風雨に奪われる事がある様に、私たちは1秒先の事だって判らない。そんな中で遅かれ早かれ別れは来るし、むしろ人生は別れを前提として歩んでゆくもの、と勝手に解釈するのですが、そうだからこそ、目に映るものをずっと忘れない様に焼き付けたり、聞こえるものを目を閉じてなんども反芻したり、酒をなみなみ注ぎ合ったり今出来る限りの事をして限りある時間を過ごしたり。


もしくは、そうだからこそ、意識して広く浅くであったり、無感情であったり。退廃的であったり。

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末期のアルコール中毒患者であった福永がここで云う”花に嵐”は、生きる事への希望を捨てた退廃的な意味をもつわけですが(酒をうまくかけた言い回しだなと思いますが)、これを含め中毒患者らしい言動と院内飲酒はこの後も続き、結果的に、彼が重度の肝硬変で死ぬことが確定している事を、小島は赤河医師によって暴露されることになります。

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しかしながらこの言葉の本来の意味はむしろ、さよならの時が来るのはもうわかりきった事なのだから、今この一瞬を大事にするんだ、という事に他ならないと思うのですが、同じ様な意味をもつ言葉や詩はほかにも何かあった様な気がします。



何が言いたかったんでしょうね。そうそう。この時期は毎年必ず強い風が吹くわけですよ。桜がいい感じに咲き出した時にね。この風が吹いた時にいつもこの”花に嵐”を思い出します。一昨日、昨日の暴風はすごかったですね・・

今日はちょっと財布を探すのに昼を使ってしまったので、撮りに行けませんでした、という話でした。