本とシェスタ

 久々に本を買ってみました。本って文庫本。まぁ、本を買うに至った経緯は色々有りまして。中島らもの"Band Of The Night"、"その辺の問題"。バンドオブザナイトはいつになくスワップ色が強かったというか、多分色々キメながら執筆されたのだろうという感じ。今までの焼き直しが大半だったにしても、3、4度笑うところが有ったのが素敵でした。言葉の洪水。”その辺の問題”は今晩寝る前に読もうと思ってます。

 diaryに中島らもの事を書いたかどうかもう忘れてしまったけれど、記憶が定かだと、氏の本を生まれて初めて目にして今年で10年目になると思う。父上が「これは面白い」と薦めてくれた一冊が「恋は底ぢから」。それまでは橋本治だとか、落合信彦だとかの本をたまーに読んでいたトコロへ一種の衝撃。薬とセックス、音楽、アート、恋、退廃した生活を写生する綺麗な言葉の数。氏自身のドキュメンタリー的なものが多いのは確かだけれど、読んでいて疲れない話し口だとか、一句一句が放つ味、氏が歩いてきた道は、後々の自分に結構影響のあるもの多。若干有害的では有りますが、最低と最高が見事にミキシングされた書き味はいつ読んでも退屈せず。

 それはさておき。

 昨晩は友人とhiroko嬢を交えての3者晩餐会。どうもテッチャンが好評で、鉄板に暫くテッチャンばかりが載るという事態に。メニューの上から下をほとんど食べ尽くし、イカが丸っこくなって焼けるのを見ながら満腹。あぁ、折角お電話いただいたのにいつもあんなバタバタした感じでどうもすいません(何。その後7時間のカラオケ。ほぼ全てのカテゴリの歌を3人で歌い尽くし、デンモクの履歴100を見ると、何人でどういう年代の人が歌ったのか判らない程滅茶苦茶な履歴に。一青窈を頑張って歌ったD氏と僕、お疲れ様。帰って寝たのが7時。起きたのが13時。

 先週Wins新宿で買った馬券の払い戻しに行き、ヨドバシを一巡し、GARE大阪をウロウロした後真っ直ぐ帰宅。の筈が、まさかの寝過ごし。京都行きの普通電車へ乗り、PetShopBoysの流れるメロディに身を任せてウトウト。目が醒めると岸辺だったので「あぁ、まだ岸辺か..」と、再び目を閉じて(このヒト駅前で目を閉じるのは非常に危険)、再び目が醒めて窓の外を見るとどうも「緑が多い」。ずっと前に同じ様な風景を見た事が有る。

 山崎だ。

 そう、サントリー山崎蒸留所が有り、染工場があり、風光明媚、水も綺麗。蒸留所はまだ訪れた事が無いので、後日改めて訪問したい..いや、そうじゃなくて。寝過ごし。既に電車のドアは閉まろうという勢いで、ここで慌てて飛び出しでもすれば「あ、寝過ごしたんだな彼(笑」と、車内のヒトに笑われかねない。ましてやドアなんかに挟まれて車内に引っ込むしか無いという事態を考えてみろ。別の車両へ移動する背中に皆の視線を受ける事になるんだぞ...それは避けなければいけない。と、いう事で長岡京まで行って、ホームで煙草を一本吸って、予期せぬ京都入りを後にしたのでありました。

 電車のドア挟まりで思い出したけれど、とある日、環状線外回りに載っていたところ、西九条駅で昔の派遣先の師匠であるK氏が締まるドア目掛けて猛ダッシュをしてきたので、そこはドア脇に立っていた僕、弟子としての誠意を見せんと、締まるドアを両腕で止めたわけです。「師匠こっちです!」と。で、こちらに走ってきた師匠、僕の腕の下をくぐるものばかりと思っていたのに、何を思ったか真っ直ぐ突進してくるからですね。丁度僕の腕が師匠の首の高さで、その、ラリアット状態となったわけですね。見事にオウンゴールをキメた師匠は首から上を僕の腕にひっかけたまま足から反対側のドアへスライディング、飛んだメガネは遥か一つ向こうのドアまで飛んでゆくという、車両内では余りみないアクロバティックな状況に...いや、これは随分昔の話。師匠、最近はもうお会いする事も無くなってしまいましたが、お元気ですか。

 京都から折り返し、降りるべき駅で降り、乗るべきバスに乗り、帰りに夕食のオツマミでも買ってゆくかと、ジプシーキングスの穏やかな曲を聞きつつ、ウトウト。目が醒めると2、3個前の停留所だったのもあり、「あぁ、まだ大丈夫だな」と思いつつウトウト。再び目が醒めて窓の外を見ると、バスが沢山並んでる。おやおや、今日は沢山バスが並走しているんだな....違う違う。終点の営業所じゃないか。

 2度のシェスタのお陰で随分な回り道。折り返しのバスを待つ間に本屋へ立ち寄り、↑へ戻る。