火曜日雑|生産性の謎

時々まだ描いてる。

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半期ごとに、グループを上げてやってる「生産性向上」の発表に携わっているのだけれど、割とおもしろくない。流れとしては、

 

▶課題の認識、テーマアップ

▶生産性向上指標とロードマップの策定

▶参加者を決めて着手

▶取り組みと苦労

▶結果

 

という大きな流れになる。

そもそも生産性向上って何の為にやるのかというと、これは会社の為だと考えてる。

 

私自身は「こんな仕事に長い時間かけてられるか」と、個人的に非生産性な仕事が嫌なので、色々工夫を払ってやってはいるんだけれど、これは完全に自分の為にやってる内容なので「活動」とは言いがたい。「活動」と名のつくものは、もっと公共性、公表性、公平性と水平性があって、基本的に「展開」してゆくベクトルをもつものだと思っている。

 

常々他の事業所や会社の、こういった「生産性向上活動」というものを拝見して、発表のトークや資料の洗練さに驚くものがあるけれど、不思議なところは、「給料が上がったという結果」を出している発表チームは一切見ない。恐らくこの発表会が始まって以来、1度もない事例だと思う。

 

なのに、生産性が向上した!嬉しい! って、嬉しいのは会社やろ?と不思議になる。

考え方を偏らせて書くけど、そもそも仕事というのは、

 

・自分の時間を切り売りして

・会社に時間拘束されて

・仕事の対価に見合った給与・ベースアップが貰える

 

があって、はじめてつり銭が合う格好になるのに、彼らは本当に、直接的な対価が無く、生産性が上がった事について「嬉しい」と感じているのだろうか。やってる仕事が短縮されてどうなるかというと、短縮出来た時間に更に仕事が充たってくる。

 

でなければ、就業時間が少なくなって、残業代で生計を立てている人にとっての収入時間が少なくなる。後者は甚だ迷惑な話。それの何が「嬉しい」のか、そういう趣味なのか、いまいち合点がゆかない。対価もなく純粋に「嬉しい」と感じる人は、相当の仕事ジャンキーだと思う。

 

数字は出てる。目標予算値も設定して、月次で予実差を追って、効果額もハッキリ出てるけれど、その効果額って、参加した自分達の懐にどう影響しているのか、誰もが不思議に思いながらやってる事だろう。多分影響してない。発表優秀賞とかの一時金とかそういうのは発表対価なので無視。

 

いわゆるインセンティブ方式をしっかり引いて、「いや、次の生産性向上活動は俺がやる」と、なかば喧嘩にもなりそうな勢いで参加者が殺到する様な生産性向上活動なら面白いけれど、なんかこう、しっくりこないんだよな。"嬉しいのは会社"と前述したけれど、それはそれで判ってる。

 

生産性向上活動で削減できた人件費や、ペイロードの上がった生産ラインのお陰で、サービス単価を下げて競争力を上げる事が出来る▶取引・商圏を維持▶雇用を継続出来る、という図式になるので、結果的には自分たちの職場環境を守る事にはなるのだけれど、それはなんか違うし、そのロジックを通すとしたら、経営者のはたらきは要らん事になる。いわゆる「生産性を上げなければ給料は上がらないんですよ」という言い分。

 

勿論、その現場の長とつく社員は、当然総括実績として反映されるだろうけれど、一番大事な生産戦力って、やっぱり長ではない社員、パート勢力である事を考えると、生産性向上活動に参加した個人に、どの様な戦功が与えられるのかが明示化されていない、通常のルーチン上での成り行き能率向上を超えた活動、これはその個人にとって無意味に感じる。

 

どの企業もこの矛盾には頭を悩ませているだろうと思うけれど、職制として高生産性設備を導入することを除いて、経年で取り組んできた生産性向上活動を維持しているという前提であれば、

 

新規テーマとして従業員が努力した生産性向上効果額=100%利益

 

なわけで、少なくとも参加者に対しては、達成までの活動期間中の効果額は、100% 還元しても良いのではないかと感じる。活動終了後は、当然それが標準化され、維持されていて当たり前の状態になるのでインセンティブ対象外とし、新規取引で同様のケースが発生した場合は、活動を流用出来るので新規テーマとしない。当然、各回の活動は標準書化され水平展開されているものとする。

 

そして次のテーマを組み立てて、生産性向上活動を行ってゆく事になるので、倉庫でいう「動線効率化」が毎回出てくる様な事も無かろうとは思うけど、実際これを行ってゆこうとすると、「生産性管理」という新たな間接業務が発生して、そこに利益を割く事になるのだけれど、今まさにそれで自分が悩んでるので助けてくださいという話をしたかった。

 

マジでね。あれ、何の意味があるんだろうね。

生産性管理をするために、現場も、管理サイドもこぞって、「生産性管理」という業務に時間を費やして、指標管理や分析、膨大な入力工数を人力で払ってる。そしてその「生産性管理」の為の「生産性向上活動」をしないといけなくなってる。生産性管理 管理コストな。全てがシステムでつながっているわけじゃないので、すごい人力がかかってる。何これ。

 

っていう謎の話で終わり。