歌舞伎町は今大きく変わる途上にあり、コマ劇場の広場の前に、大きな商業施設が立ち上がろうとしている。新宿が大好きな自分にとっては、賑やかになるのはほんと歓迎したい。
食事を都庁の傍で済ませ、ニティ君と歌舞伎町を歩いていた。
話が戻ってしまうけれど、この新宿もaさんとよく遊んだ場所で、初めて遊んだ日の晩に入ったネットカフェも覚えている。あの日は丁度かえで君とも初顔合わせで、初めてまともに遊んだ東京の夜が凄く楽しかった。
あの日、昼の待ち合わせに自分は少し出遅れてしまい、aさんとかえで君が先に合流していて「カラオケで待ってるからー!」ってメールが来て、あー自分が一番最初に逢いたかったのに!って歯噛みした。
あの日チャットで少しモメ事があって、aさんが凄く憤っていたのもおぼえてる。
あれから12年経った。
彼と飲んだバーも割と多くて、あーまたあそこ行こうと思ってゆくたびに、これが閉店していた。跡地にはガールズバー、キャバクラ、風俗案内所。およそ自分の興味のない店がそこにあって、彼との想い出も店もどんどん無くなってしまっている。
自分はなんというか、お酒を飲む時間って割と大事にしていて、食事中に飲むビールやサワーなんかは一寸違って、ゆっくりホント色々話したい時の燃料であって、それは本当に静かなところで飲んで過ごしたいという気持ちがあって、まぁざっくり表現すると「腹を割って話そう!」な時間なわけで、それを商業的なスペース、ビジネスとして接してくる女性と一緒に過ごすっていう考え方は自分には無い。
腹を割ってー
ほぼ一周、区役所あたりまで歩き回ったけど、バーというバーがほとんど無くなっていたので、今一度コマ劇場のあたりまで戻ってくると、入った事は無いけれど間違いない雰囲気の、とても控えめな看板がチラッと見えた。
迷わず地下へ降りてドアを開けると、ほんと自分の理想的な店構え。良かった。
場所もメモらなかったし店の名前もよく覚えないままだったので、忘れないうちにもう1度行きたい。
ニティ君はいつになく喋った。喋りすぎて気分を悪くされた程だった。自分もびっくりしたけど、本人が一番びっくりした。ゆっくり話す機会らしい機会も近年無かったので、いい時間だった。
バーのスタッフとも少し話したけど、自分の店を凄く大事にしているという気持ちに溢れていて、自分と同じ様な考え方を持っていてホントいい店だった。どんだけ使うねん?っていうぐらい沢山の電卓をかきあつめて、「消費税率の設定方法」を議論していたあたり、この店は自分向きだなとも感じた。
ニティ君を駅まで送って、自分はまた東口から下っていった。
予定は終日押していた。