ふとんむし旅行記:メイプルの闇

ある日、ショーワの街角で佇んでいると、こんな声が聞こえてきた。


「俺、4次転職したらもうスゲー楽しいかと思ったのに、狩してても何をしてても、仕事してる様な感じしかしない。だから俺、このキャラ売って引退するわ。」


私もここに来て感じた事なんだけれど、それは4次転職をするもっともっと前、2次転職するあたりで感じた。

上がらないレベル。

単調な狩り。

毎日表情の変わらないMAP。2Dスクロール。

きっと1ヶ月程で飽きてしまうと思っていた。



メタルギアオンラインとは全く別の世界観。

決定的に違う事は、メイプルでは相手がCPU。MGOでの相手は、時として味方になり、時として敵にもなる戦友達。

ゲームは、私達でどうにでもなり、毎日が変化に富んでいた。皆でゲームを作り出せた。

GGLの森の中を駆け抜ける時、CUSのビルの間を走り抜ける時、ブラウンタウンの街角でSVDを構えている時。PDPの廊下に飛び出す時、全ての時間が一時も同じという事が無かった。もちろん、ゲームを全く行わずに空を眺めたりしているだけの事もあった。

MGOの空はとても広く、遠くの景色は双眼鏡でのぞいても何処までも続いていた。

ゴーストファクトリーの屋上で終わったあの日から1年と4ヶ月。全世界リリースに先駆け、21日からいよいよβテストとして戦場が開かれる。俺は結局βテストへの参加権を取らなかったけれど、あの時の戦友の何人かがこの月曜日から行くことになった。



メイプルの無機質なゲーム性は、こういう世界を経験してきたプレイヤーにとって、「仕事」にしか見えないという気持ちも判る。

でも私はここでも色々なものを見つけた。




「俺、ふとんsやまくらs、みんなみたいなやさしい大人になる!」


ちゃわんむし君がフトこう言った。



リアルでの世界はメイプルの世界に比べもっと殺伐としていて残酷な事の方が多く、メイプルの世界を出れば「やさしい」を見つける事の方がきっと難しいと思うけれど、今このギルドで彼が私をはじめギルドの大人たちから学んで、話して、吸収している事が、彼の大人になる過程で少しの糧になってくれると嬉しいし、彼が大人になった時にフト思い出してくれるかも知れない。

もちろん彼だけではなく、色んな環境があるプレイヤー同士が理解をしてゆける時間が出来てる。

集ってくれた皆のおかげで、思い立って立てたギルド犬小屋も、とてもやさしいギルドになった。



この世界でやる事は、まだ結構有るんだよね。


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打って変わって月曜日。偶然にも月夜天使さんとリプレ、そしてショーワで遭遇。



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数ヶ月前に1度マガティアで一緒にクエストを進行させただけなんだけれど、


「ほら・・名前、おぼえやすいでしょ^^;」


という実に単純明快な理由で私の事を覚えててくれた方で、時々人気上げ逃げをしてみるのですが、彼女は「ナイトロード」といいまして、メイプルの職の中でも一番足の速い盗賊なのです。


上げ逃げでもしようもんなら、鬼追い回されます。というか追い回されました。しかも無言(´・ω・`)


先日本当に久しぶりに話す機会を得たのですが、私よりずっと先輩で、もうこの世界での生活も4年とか。


でも、彼女を見かける時は1人の時が多くて。


「みんな引退してっちゃうしね^^;」


もしまた話す事があったら、何をしたら4年もここで過ごす事が出来るのか聞いてみよう。