今までの人生でヤカラっぽい感じの人に絡まれたのは2回。
1回目は中学2年生の春。駒川のイズミヤで、いかにもカツアゲしてきそうな目つきでこっちを見ている3人組がいたので、一緒に来ていた友人のシゲちゃんに「あかんはよ逃げよ」と言って、イズミヤを飛び出してチャリンコを2ケツして逃走したわけですが、シゲちゃんの足ではスピードが出ず、一瞬で追いつかれて3600円もってかれた。
2回目は高校3年の確か春。部活の終わった後長居公園で楽器を持ち寄って皆で練習していると、原付を転がした兄ちゃん達が「おおー何吹いてるねんw」か何か言いながら寄ってきて「な、500円貸して^^」と言われた。
相手がK1選手とかだったら考えたけれど、この頃にもなるとさすがにそういう事への対処が効く様にもなっていたので「え、返せへんやろ、、」と切り返したりして色々喋っていると、そのグループの中で一番ちーちゃいのが
「あっ、パッツンや!」
と叫んだので何かと思ってその視線の先を追うと公園のマラソン道路をパトカーが巡回していた。その正体不明の「パッツン」は彼ら的にパトカーである事が判った。
「パッツンって何やねん;」
もうここでこちら側は笑いがこみ上げていたんだけれど、とりあえず現時点でこちら側はごく小額ではあるけれど「カツアゲをされている」立場。声をあげて笑ってこのグループを刺激して、小遣いで買い直しの利かない楽器をいじられると困るので思いっきり我慢して様子を見ていると、ちーちゃいのが更に謎の行動に出た。
「あかん!げ、原チャリやばい!ちょっと俺いってくるわ!」
ちーちゃいのがまた叫んだ。何がヤバイのかよくわからないけれど、一応公園内は車両乗り入れ禁止だったので、パトカーが近くにいる手前、それを気にしているんだなというのが判った。
とりあえず一挙手一投足が意味不明なので、彼の思考回路を追いかけるのに必死だった。
「ちょっと、みんな待っててな!原チャリおいてくる!」
「手押し」で原付を公園の外へ持っていった彼。
15秒程で戻ってきた。原付を押しながら。
「あかんあかん; スタンドの後けしとかな、、、バレるやん」
「えっスタンドwww」
「ちょ、お前らも消せって!!」
砂地についた原付のスタンドの跡をザッザッと丁寧に足で払うと、彼はまっすぐ公園の出口の方へ向かってダッシュしていった。
残ったグループの中のイケメンの兄ちゃんがボソッとつぶやいた。
「なぁ、あいつアホやろ、、」
「俺らに聞かんといてくれそんなんww」
「もう行くわ; あいつほっとく、、」
原付を押してダッシュしていった彼を放置して、彼らは行ってしまった。
「ちょ!みんなどこいった!」
知らんふりした。