「ぼくもですね、近大、永瀬の方は何度か行った事あるんですけど、駅を降りる人数と、大学の門をくぐる人数、違いますよね」
先週末の福゜福゜。
30分経ってもなかなか出てこない鍋を待ちながら、たかよちゃんが「これでもかじってて><」と持ってきた煮干しをかじりながら話していた。
取引先と飲みに行くということは、職域もあって全く無かったのだけれど、自分が今のデスクに着任してから特に馴染みの深い携帯キャリアの営業マン。お互い30代だけど彼は少し若い。営業マンだけれど前身はSEなので、何でも出来る格好よさがある。予算検討会の後、遅めの時間に来てもらった事もあって、食事に誘った。
冒頭の永瀬の近大は、近畿大学の本学で東大阪市にあり、大阪市中心部からは環状線の鶴橋で乗り換え、近鉄電車に数分揺られて着く。駅から学校までは近大前商店街を抜けて1本道。1本道なのに
「駅を降りる人数」>「学校に入ってゆく人数」
という人数差が生まれる。今現在どうなってるか判らないけど、駅で降りた近大の学生はとりあえずその近大前商店街の店々に吸い込まれる。雀荘、ビリヤード、喫茶店、その他もろもろ「とりあえず一服」の店が多い為だ。
そして「一服」の後、学校へ行く者、そのまま夕方まで麻雀して過ごす者、学校から帰ってくる友人を待つ者、という選択肢があって、とにかく統一されてるのは「飯は学校で食べる」というところだろうか。今は多少上がってるだろうけれど、とにかく安かった。
私自身は、中退するまでの間、本学には2,3度しか行かなかったので商店街に捕まる事はなかったけど、農学部のキャンパスもまぁまぁヤバイところにあった。生駒の山の上。駅を降りたらとりあえずデカイパチ屋と寂れたパチ屋が2件有る。ちょっと気分が冴えない時はオープンと同時に寂れたパチ屋に入る。釘が甘かったし空いてるので楽に台を選べた。
そのまま王将で食事をして帰る時もあれば、渋々学校へ行く事もあったけれど、概ね帰っていた。
一方で気分が冴えてても冬なんかだと積雪。バスが登るのに苦労する程道が悪く、バイクや自転車で通勤してる学生は手押ししながらまさに「登山」。もうこれだけでも驚くべき光景で、気が滅入りながらそれなりに授業へ出席して帰っていた。とにかく近大は立地が宜しくないな、という話。
鍋が来たのは40分経ってからだった。話題といえば酒、健康、家族、家、自慢、昔話、愚痴といった職場の人間と違って、久々に「新しいこと」と「今進んでいる話題」を話し込んだ気がする。
「そういえば出身はどちらなんですか??」と聞かれて。
子供の頃から家は標準語トークがメインだった事もあるけれど、1日の8割を標準語で過ごしているせいで、折にふれて聞かれる。勿論ベッタベタな大阪弁も話せるけれど、相当出所不明なヒトになってるだろうなぁとは思う。
出先でタクシーに乗ったり店に入った時なんかは、東京だったり福岡だったり北海道だったり、適当に出身地を遊べたりするのも面白いんだけれど、この前東京で全く面識のないタクシーの運転手に「大阪からですか?」って聞かれた。おお!って思ったけれど、何で判断したんだろうか。
営業マン君は福岡出身だった。お互い普段標準語で話してるんだけれど、話し込んでるうちに緩んだのか、福岡弁と大阪弁が時々ぶつかった。聞く程に、自分も大阪を離れて東京あたりで仕事したかったなぁと感じる。
今更だけど、関西より関東の知り合いが多いあたり、自分は関西に向いてないのかも知れないという思いも有ったりする。
3時間位、あの寒い外のテント席で話して帰った。