火曜日


 色んなものに追われる日だったけれど、終わってみると意外と早かった。とりあえず、煙草を吸う時に飲みかけの珈琲缶に灰を落とすクセを何とかしたい。んで灰を落とした事に気づかずにそのままグイッと飲んでしまうクセも何とかしたい。微妙にロースト風味なコーヒー。マズイ。

 倉庫の2階フロアの天井に板塔婆が有るのを発見したのが丁度2週間程前。神棚なんかの祀りモノはこの業界によく有るものだけれど、板塔婆を見たのは初めてで、まぁモノがモノだけにその時はちょっぴり怖いなーか何かいう話だったのが、1週間ほど前に当の2Fへ行くと天井を走る音。明らかに足音かと思い、離れて作業中だった作業員に誰か上で補修作業でもしているのかと聞いてみるとそんな予定も無い。何処かのおさぼり作業員が天井でサボってられる程屋根はつたっていないし、ましてやまだ日中は28度オーバー。屋根の上はタマゴが一瞬にして焼ける温度だろう、と、色々話しているうちに「鳥じゃないか」という話に落ち着いてみる。やーでもあんな重々しい鳥居るかなぁと思っていると、今日の出荷後、21時まで一人で作業していた氏が帰ってくるなり「足音聞いたー」と。かてて加えて「エレベーター乗ってる時に変なもん見た」と、一度にそんな怖いこと2つも言わなくてもいいのに(何。

 一人で深夜事務所で黙々と居るのには慣れたけれど、さてどうしたものか。昔現場の照明を全部落とした後リフトのライトを点けた途端、突然自分の目の前に現れた顔に一人絶叫して、ひとしきり絶叫した後その顔がサイドミラーに映った自分の顔だという事に気づいて寂しくなる。僕はそんな感じ。怖いからもう帰りたい。




 怖いので帰ってきました(何。いえ。「帰りたい」から随分時間が経ってしまっているのですが。何ていうか、そういう話を聞いたりしなかったら普通に暗闇とかズンズン進んでゆけるのに、話を聞いたばっかりに独りの事務所をキョロキョロ見回してみたり、あぁー(何。